笑売二千五百九十ニ日目
柏駅西口と南流山で昼飲み可能な串揚げ居酒屋「串かつ さじろう」店主のさじろうです。
緊急事態宣言の延長に伴い6月20日まで柏本店、南流山店共に休業します。
緊急事態宣言が延長となり6月1日からの動きに変化と差が出てきました。
さじろうのようにそのまま休業継続。
店内営業は行わずテイクアウトや宅配だけで再開。
休業自体をやめてお酒の提供を伴う通常営業を再開する。
主にこの3つの動き。
なぜ今になってこんな動きが出てくるのか、なかなか一般の方には分からないかと思います。
本来ならばどのお店も人を解雇することなく休業継続をしたいはず。
でもそれが出来ない理由、営業をやるしかない理由があるんです。
それが運転資金に余裕があるかないかの懐事情。
ほとんどの飲食店はコロナ禍の影響が顕在化した昨年4月から今に至るまで疲弊しまくってます。
さじろうもそうですが、コロナ禍前にあった自己資金の運転資金はこの一年ですべて溶けて枯渇しました。
今はコロナ融資で借りた潤沢な資金と協力金頼みの経営になってます。
銀行の担当者の方曰く、さじろうの経営状況はかなりいいです、良すぎますと褒められててもこのひどい有様。
そこで、もし頼みの綱の協力金がなかなか振り込まれなかったら?
さらに休業中の社員やアルバイトスタッフへの雇用調整助成金は、会社や経営者の給料日の前払いが原則なので運転資金がないと出来ません。
売上入金がないのに毎月の給料はスタッフの生活のために支払わないといけません。
それでいて家賃や返済、社保、税金、その他の支払いは容赦なくやってきます。
こんな感じなので協力金が入ってこなければたとえ休業中とはいえどもお金の減り方が尋常ではないんです。
そんな疲弊した状況で協力金や雇用調整助成金の申請は慣れない人にとっては超超大変でめんどくさい作業。
それが嫌で申請出来てない、出来ないお店も多いよう。
超めんどくさい申請をしてからかなり遅れての入金になります。
という訳で、今すぐに支払う現金が枯渇しそうだからこそいま現金が必要なんです。
支払うために、生きるためにお店を開けて目の前の売上現金を獲得するしかないんです。
また、いまこの時期に開けてるお店は軒並み大繁盛しているから余計にそういう金銭面が魅力的に感じるのでしょう。
そんな訳で営業を再開するお店が増えて来た側面があるのでは、と思います。
またスタッフを解雇したお店がたくさんありますが、それは雇用調整助成金をもらう前のスタッフに支払う現金がないから解雇せざるを得ない悲しい現実。
解雇する経営者、されたスタッフのどちらも被害者。
スタッフを守り、遅延なく支払うべき物を支払うには現金というツールが絶対に必要なんです。
幸いさじろうはコロナ融資で必要以上に借りられたので必要以上に全額借りました。
借金まみれですが、その借金が幸い今の精神的ゆとりと経営の安定に繋がってます。
しかし今はその返済がないからこその一時的な安定。
決して安泰ではないし返済義務があるので頑張るしかありません。
居酒屋を取り巻く経営目線のリアルな状況、現実です。